実家の稲刈りを手伝う日。私と夫が手伝った主な作業は、機械で刈った稲の束を、天日干しするために設置したやぐらみたいなやつに端から端まで引っ掛けてゆくことだった。田んぼ中に散らばった束を拾ってきて掛けるを繰り返す、かがんでのばしての動きに、暑さのせいもあったけれど、ものの数分でへろへろクラクラになる始末の嫁、体力の無さを否応なく再確認。知りたくなかったぐらいの、ダメっぷり。対して夫は、日頃体を動かす仕事をしているだけあって意欲的に、「これで何キロ痩せるかな」などといいつつどんどここなす姿が、まぶしかった。テカテカ光る汗と脂で。
途中、あんまりしんど過ぎてというか、自分に優しすぎる私は「休憩用の飲み物を補充してくるよ」「アイスでも買って来ようか」などと、御用聞きをする体でなんとか戦線離脱を図ろうとしたのだが、その都度夫から「飲み物にかこつけて、逃げようという魂胆だろう貴様」と、その真意をズバっと見抜かれ、釘を刺された。日頃は何かと察して欲しいと願ってはいる自分だけれども、時と場合によりにけりですな……としみじみ思った。